対応症状
雨が降る前の日に、なんとなく体が重い。台風が近づくと、頭が締めつけられるように痛む。
空模様を見て、「明日はしんどくなりそうだ」と身構えてしまう。——そんな日々を過ごしている方に向けて、書いています。
「気象病」という言葉を、最近よく耳にするようになりました。新しい言葉のように聞こえますが、その不調そのものは、昔からあったものだと思います。天気の変化で体が揺れる。雨や低気圧が近づくと、調子が落ちる。呼び名がついて、ようやく「自分だけではなかった」と気づいた方も、多いのではないでしょうか。
気象病では、どんな不調が起きるのか
天気の崩れに合わせて現れる不調は、人によってさまざまです。
頭痛。古傷や関節の痛み。耳鳴りや耳の詰まり。めまいやふらつき。体が重い、だるい、気分が晴れない。——ひとつだけのこともあれば、いくつも重なって出ることもあります。
共通しているのは、「天気が崩れる前から」始まることが多い、という点です。雨が降ってからではなく、降る前の、気圧が下がりはじめる段階で、体がすでに反応している。だからこそ、「雨が降るのが、体で分かる」という方がいらっしゃいます。
なぜ、天気で体調が崩れるのか
ここから先は、私なりの見立てです。気象病の原因として、私は大きく二つあると考えています。
① 気圧や気温の変化に、体がついていけない
ひとつは、気圧の変動や気温の変化に、体が対応しきれていない状態です。
私たちの体は、外の環境が変わるたびに、内側で静かに調整を続けています。気圧が下がれば、それに合わせて働く。気温が変われば、また合わせる。本来は、意識せずとも行われているはたらきです。
ところが、体力が落ちていたり、体のリズムそのものが乱れていると、この「整える」作業に、多くのエネルギーを取られてしまいます。日々を保つだけで精一杯になり、天気の変化に対応するための余力が残らない。その結果、変化のたびに不調として表面化してしまう——そういう状態だと考えています。
② 体が、痛みを「記憶」している
もうひとつは、過去の痛みや不調を、体が覚えてしまっている、ということです。
体は、心地よいことよりも、不快なことを強く記憶します。以前、雨の日に頭が痛かった。低気圧のときに古傷がうずいた。——その経験が体の奥に残っていて、似た条件が近づくと記憶が呼び起こされ、再び痛みとして現れる。そういう側面があると感じています。
つまり、いま実際にその部位が悪くなっているとは限らない。過去の記憶が、引き金を引いている場合がある、ということです。
「毎回、雨のたびに痛い」わけではない
ここで、ひとつお伝えしておきたいことがあります。
「天気が悪いと、毎回つらくなる」とおっしゃる方は、少なくありません。けれど、よくよく振り返っていただくと、実は毎回ではないことが、ほとんどです。
体調が整っているときは、同じように天気が崩れても、あまり感じない。逆に、疲れがたまっているときに強く出る。一度、記録をつけてみると、はっきりします。おそらく、「雨のたびに決まって」ということは、ほとんどないはずです。
数回つらかっただけでも、体はそのマイナスを覚えています。だから「いつもだ」と感じてしまう。——これは、あなたの思い込みということではありません。記憶のしくみが、そう感じさせているのです。
どこへ行っても、変わらなかったという方へ
気象病の不調を抱える方からは、こんな声をよく聞きます。
病院で検査をしても、はっきりした異常は見つからない。「気圧のせいでしょう」「体質ですね」で終わってしまう。人に相談しても、「そういうこと、あるよね」と流されてしまう。——どこを頼ればいいのか分からないまま、付き合い続けている。
ほぐしても、しばらくするとまた戻ってしまう。その繰り返しに、疲れてしまった方もいるかもしれません。
戻ってしまうのには、理由があります。表面をゆるめるだけでは、その奥にある体のリズムの乱れまでは、届かないからです。
当院がしていること
当院では、気象病そのものを消すことを追いかけるのではなく、天気の変化に振り回されにくい体を整えていくことを大切にしています。
体のリズムを整える。弱って動きにくくなっている部分を、本来の動きに戻す。レールから脱線しかけている体を、もう一度、静かにレールへ乗せ直す。——私がしているのは、そういう施術です。
だから、いきなり強く揉んだりはしません。体には、整えるべき層と順番があります。いま手を入れるべき一枚を見極めてから、芯からほどいていきます。
「治す」というより、体が本来持っている、回復していく力を取り戻していただく。それが、この施術の中心にある考え方です。
雨のたびに身構える毎日から、「多少の変化なら、気にならない」という毎日へ。
その入口として、一度ご相談いただければと思います。