対応症状
「ちゃんと寝ているはずなのに、朝から体が重い。」
仕事に家事、そして周りのことにも気を配っているうちに、気づけば自分の睡眠は一番後回しになっている。そんな感覚を抱えたまま、一日をスタートさせている方は少なくありません。
睡眠に関する悩みは、実はとても多くの方が抱えているものです。「自分だけがうまく眠れていない」と感じてしまいがちですが、実際には多くの方が、同じような感覚を抱えながら過ごしています。
睡眠の悩みは、ひとつの言葉でまとめてしまいがちですが、実際は中身がいろいろに分かれます。
寝つきそのものが悪いのか。
眠りが浅く、途中で目が覚めてしまうのか。
夜中にトイレで起きてしまうのか。
朝の起き方がすっきりしないのか。
寝ても寝ても寝足りない感覚があるのか。
もっと眠りたいのに、眠れないのか。
「眠りの質が悪い」とひとことで片づける前に、まずはどこに当てはまるのかを、少し分解して考えてみることをおすすめします。
入眠に時間がかかるタイプの方は、就寝前の過ごし方を見直すことで、変化を感じやすい場合があります。夜中に何度も目が覚めてしまうタイプの方は、環境や自律神経のはたらきが関わっていることも少なくありません。夜中にトイレで目が覚めてしまうタイプの方は、水分の摂り方や就寝前の過ごし方を見直すことで、変化につながる場合もあります。朝の起き方がすっきりしない、寝ても寝足りない、というタイプの方は、そもそもの睡眠の量が足りていないのかもしれません。
自分がどのタイプに近いかを知ることが、整えていくための最初の一歩になります。忙しい毎日の中では、「眠れていないのが普通」だと感じてしまうこともあるかもしれません。ですが、その状態が長く続いていること自体、体からのサインとして受け止めてあげてほしいと思います。
ここで少し、寄り道させてください。
世界にはおよそ80億人が暮らしていますが、その中でいわゆる「ショートスリーパー」と呼ばれる、短い睡眠時間でも問題なく過ごせる人は、数パーセントほどとされています。
つまり、かなり少数派です。「自分は短い睡眠でも平気なタイプかもしれない」と思っていても、実際にそれに当てはまる可能性は高くありません。周りの「あの人は短時間睡眠でも元気」という話を聞いて、自分もそうあるべきだと思い込んでしまう必要はないということです。多くの方にとって、まとまった睡眠時間を確保することは、贅沢なことではなく、体を整えるための土台です。
質が気になる、という声はよく耳にします。
ただ、質にこだわりすぎる前に、まずは「量」を大切にすることを、当院ではおすすめしています。
質が悪いと感じていても、眠れる時間があるのであれば、その時間はしっかり眠ってあげる。それだけでも、体には十分な意味があります。眠る時間が後ろ倒しになりがちな方は、就寝時刻を少しだけ早めることから始めてみるのも、ひとつの方法です。最初から完璧な習慣を目指す必要はなく、いつもより十五分だけ早く布団に入る、というくらいの変化から始めても十分です。
一方で、本当に眠れないという状態が続く場合は、無理に自分だけで抱え込む必要はありません。
お薬に頼ることに抵抗を感じる方も多いと思いますが、それは決して悪いことではありません。眠れない状態が続くこと自体が、体にとって負担の大きいことだからです。改善が見られない場合は、医師に相談することも、選択肢のひとつとして頭に置いておいていただければと思います。我慢して眠れない夜を重ねるよりも、早めに専門家の力を借りるという判断も、体を大切にするひとつのかたちです。
また、眠れないからといってスマートフォンを触ってしまうと、かえって目が冴えてしまい、逆効果になることもあります。画面の光が、眠りに向かう体のリズムを妨げてしまうためです。
睡眠の質には、環境も大きく関わっています。特別なことをする必要はなく、日々のちょっとした工夫の積み重ねで十分です。
就寝前に強い光を直接浴びないようにする。日中と夜とで光の当たり方に差をつけることが、体内のリズムを整える助けになります。
お風呂は、寝る1〜2時間前には済ませておく。体温が下がっていく過程が、眠りへの入り口になりやすいためです。
就寝直前のスマートフォンやテレビ、読書は避ける。頭や目が刺激を受けたまま布団に入ると、寝つきにくくなることがあります。
こうした積み重ねが、眠りの質を少しずつ変えていくでしょう。一度にすべてを変えようとせず、ひとつずつ試してみることをおすすめします。
睡眠は、体をリフレッシュするための時間です。
肉体的な疲労が回復するだけでなく、脳の疲労も、眠っている間に少しずつ解消されていくといわれています。日中にどれだけ頑張っても、眠りが足りていなければ、その頑張りは翌日に持ち越されにくいものです。体は元気なつもりでも、頭がなんとなく働かない、集中力が続かないと感じる背景に、眠りの不足が隠れていることもあります。
また、気分の浮き沈みやイライラのしやすさも、眠りの状態と関わっていることが少なくありません。体だけでなく、心の余裕にもつながっているのが、睡眠という時間です。
睡眠の悩みは、生活習慣や環境だけでなく、体の緊張や自律神経のはたらきと関わっていることも少なくありません。当院でも、そういったお声を伺うことがあります。
そういった面からも、静かに体を整えていくお手伝いができればと考えています。眠りについての悩みが続いている方は、一度、体の状態を見直してみるのも良いかもしれません。
眠りは、日々を支える土台のようなものです。
その土台を整えることが、日中の過ごし方そのものを、少しずつ変えていくきっかけになるかもしれません。
ワジマ整骨院 輪嶋大祐